クジャの話
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彼と同じように創られた者達は彼や彼の弟のような強い意思が無かった。
その者達にあったのは微弱な意思だった。
それでもその者達は微弱な意思の中に希望を持っていた。
それが 彼 だった。
彼は仮にもその者達と同じ種族だ。
その彼が自分は器や道具ではないと否定していたのは皆知っている事だった。
それが希望だった。
彼が器や道具じゃないと示してくれる事。
それは、つまり、その者達も器や道具じゃないと示されるということ。
だからその者達は彼を尊敬していた。
彼は皆の希望だったのだ。
─ あなたって 私達の希望だったのよ?
ねぇ。私達の兄さん。
fin.