* す だ か *

タイトル

V

星に手をかける直前、彼の弟とその仲間が阻止しに来た。
─ どうせ僕は死ぬんだ。皆いなくなればいい。 ─
果たして彼は敗れた。彼の暴走は止まった。
しかし、彼が暴走しすぎたせいで周りはだんだんと崩壊を始める。
戸惑う弟達。
ここが崩れたら彼も、彼を倒した弟達もきっと助かりはしない。
─ あぁ、どうか…。彼等だけでも、生きてくれ…。 ─
彼はその強い力で彼の弟達を崩壊の外へ転移させた。
崩壊の中、彼は弟達の脱出を見届けた。
まだ彼には、自分が脱出するだけの力が残っていた。
しかし、彼は脱出しようとしなかった。
ただただ、自分の過ちを受け止めようと、崩壊を見守った。

『生きるんだ』
彼はそう言って弟を生かそうとした。
彼は弟を殺そうと、本気で戦ったのだ。
弟を殺そうとした事への償いのつもりだった。
弟達を生かし、自分は死ぬべきだと思った。
『今助けてやるから、そこで待ってろ!』
なぜ?
今も崩壊を続け、その中に入ってくるなど無理だと思った。入ってこれたとしても生きて帰れはしない。
─ 殺そうとしたのに? ─
彼の弟は仲間を先に逃がして崩壊の中を潜り抜けてきた。
─ 君を捨てたのに? ─
彼の弟は、果たして彼の元に行き着いた。
─ 何故僕なんかのために命を危険にさらす? ─
彼は弟に問うた。
どうして着たのか と。
彼の弟は当然のように答えた。
「誰かを助けるのに理由がいるかい?」
そして、優しくつなげる。
「それに、お前はオレに生きろと言ってくれたじゃないか。」
彼には理解ができなかった。
─ だって 君は弟だ。
  だって 君は僕に笑顔をくれた。
  だって 最後くらい、兄としてかっこつけさせてくれ。
  だから 君に生きろと言った。 ─

あぁ、そういうことか。

彼には理解できた。

「君たちに敗れて僕は失うものが無くなったんだ。
…そのとき…生きるというコトの意味が、少し分かった気がしたんだ…」

─ あぁ…もう少し、早く分かっていればな… ─