ED後妄想
3
クジャは見るからに死に近づいている気がした。
あんなに好きだった聖域にも行かなかった。
出来立ての飯も始めのときの半分も食べなかった。
一日はだいたい寝ていた。
あんなに綺麗だった顔はやせ衰えてしまった。
「クソ・・・どうしたらいいんだよ。」
どうしたら助けてやれるんだよ。
どうして何もできないんだよ。
どうして・・・
「ジタン」
消えてしまいそうな小さい声が響いた。
「・・・クジャ・・・」
「僕のことは大丈夫。君が悩むことじゃない。」
「っ・・。でも・・・本当に・・死んじまうかもしれないだろ?お前も・・怖いんだろ?」
そっとクジャの手がオレの手を握る。とても弱々しい力で。
そしてそっと微笑んだ。
「不思議とね。怖くないんだ。君がいてくれてるからかもしれない。」
「オレは怖い。お前が死んだらどうすりゃいいんだよ。」
「君には帰る場所があるだろう。・・・帰っていいんだ。・・・ね?」
お前は・・・それでいいのか・・・?
ニコリと笑うクジャはやつれていても綺麗だった。
オレはこんな風に笑えるだろうか?
「・・・。大丈夫。きっと死なせない。」
きっと・・助けてやる。
数日後クジャはひときわ具合が悪かった。
オレは付っきりでクジャの手を握り締めていた。
心配そうにするオレに対してクジャは弱々しく笑って見せた。
「ねぇ ジタン。・・あそこに行きたい。君が連れて行ってくれた、あの綺麗なところに。」
その頼み方が最後の死ぬ前の頼みみたいであまり行かせたくなかった。
行ったら、本当に死んでしまう気がする。だが、
「あぁ。そうだな。きっと今日も綺麗だ。」
オレが暗いとどんどん暗くなっていきそうで明るく返してやった。
あの聖域に何とか着いた。
クジャは飛ぶことはもちろん、歩くことも儘ならなかったのでオレが肩をかしてやってようやくたどり着いたのだ。
「ありがとう。ここでいいよ。」
川のそばでクジャを座らせてやった。
いつもと変わらない美しさで川は流れていた。
「あぁ。今日も綺麗だね。」
「そうだな。」
「そうだ。ねぇ、ジタン。歌ってよ。いつか言っていただろう?」
唐突にクジャはそんなことを言った。
「だめ。あれはお前が死んじまった時って言ったろ?お前はまだ生きてるよ。」
「違うよ。今日は僕の誕生日だよ。だからお祝いの歌を歌っておくれ。」
・・・?どういことだ?ここがどこかも分からなけりゃ日付だって分からないのになんで誕生日だって分かるんだ?
あ。
こいつの寿命はあらかじめ決められてるんだ。それは確か25年。
こいつは誕生日じゃなくて死期を悟ったのだ。
「ね?歌ってよ。」
クジャは子供みたいに歌って欲しいとねだった。
・・・・あぁ。
「あぁ。いいぜ。」
〜それは生命の歌。言葉の意味は分からなかったけど、そんな気がした。
歌い終わるとクジャは横になって眠っていた。
そっと肩を揺すっても起きなくて。
名前を呼んでも起きなくて。
軽く叩いても起きなくて。
抱きしめたら体温がない。
そんな日がいつか来る気がした。
でもそんなのはもっと後だと思ってた。
もう来てしまったなんて・・・
本当に涙は出なかった。
それほどにクジャの死はあっけなく、美しく、悲しかった。
悲しすぎて涙も出なかった。
今にも起きてくれそうに美しかった。
でも、もう きっと起きない。
「おやすみ。・・・クジャ。」
次の日、クジャを埋めた。
あの聖域に埋めてやった。
きっとあいつもここで死にたかったのだろう。
大きめの石にクジャの名前を彫って立てた。
大丈夫。
お前のこと忘れたりしないから。
「まだ・・生きてるよな?」
声はむなしく森の中に吸い込まれていくだけだった。
あんなに好きだった聖域にも行かなかった。
出来立ての飯も始めのときの半分も食べなかった。
一日はだいたい寝ていた。
あんなに綺麗だった顔はやせ衰えてしまった。
「クソ・・・どうしたらいいんだよ。」
どうしたら助けてやれるんだよ。
どうして何もできないんだよ。
どうして・・・
「ジタン」
消えてしまいそうな小さい声が響いた。
「・・・クジャ・・・」
「僕のことは大丈夫。君が悩むことじゃない。」
「っ・・。でも・・・本当に・・死んじまうかもしれないだろ?お前も・・怖いんだろ?」
そっとクジャの手がオレの手を握る。とても弱々しい力で。
そしてそっと微笑んだ。
「不思議とね。怖くないんだ。君がいてくれてるからかもしれない。」
「オレは怖い。お前が死んだらどうすりゃいいんだよ。」
「君には帰る場所があるだろう。・・・帰っていいんだ。・・・ね?」
お前は・・・それでいいのか・・・?
ニコリと笑うクジャはやつれていても綺麗だった。
オレはこんな風に笑えるだろうか?
「・・・。大丈夫。きっと死なせない。」
きっと・・助けてやる。
数日後クジャはひときわ具合が悪かった。
オレは付っきりでクジャの手を握り締めていた。
心配そうにするオレに対してクジャは弱々しく笑って見せた。
「ねぇ ジタン。・・あそこに行きたい。君が連れて行ってくれた、あの綺麗なところに。」
その頼み方が最後の死ぬ前の頼みみたいであまり行かせたくなかった。
行ったら、本当に死んでしまう気がする。だが、
「あぁ。そうだな。きっと今日も綺麗だ。」
オレが暗いとどんどん暗くなっていきそうで明るく返してやった。
あの聖域に何とか着いた。
クジャは飛ぶことはもちろん、歩くことも儘ならなかったのでオレが肩をかしてやってようやくたどり着いたのだ。
「ありがとう。ここでいいよ。」
川のそばでクジャを座らせてやった。
いつもと変わらない美しさで川は流れていた。
「あぁ。今日も綺麗だね。」
「そうだな。」
「そうだ。ねぇ、ジタン。歌ってよ。いつか言っていただろう?」
唐突にクジャはそんなことを言った。
「だめ。あれはお前が死んじまった時って言ったろ?お前はまだ生きてるよ。」
「違うよ。今日は僕の誕生日だよ。だからお祝いの歌を歌っておくれ。」
・・・?どういことだ?ここがどこかも分からなけりゃ日付だって分からないのになんで誕生日だって分かるんだ?
あ。
こいつの寿命はあらかじめ決められてるんだ。それは確か25年。
こいつは誕生日じゃなくて死期を悟ったのだ。
「ね?歌ってよ。」
クジャは子供みたいに歌って欲しいとねだった。
・・・・あぁ。
「あぁ。いいぜ。」
〜それは生命の歌。言葉の意味は分からなかったけど、そんな気がした。
歌い終わるとクジャは横になって眠っていた。
そっと肩を揺すっても起きなくて。
名前を呼んでも起きなくて。
軽く叩いても起きなくて。
抱きしめたら体温がない。
そんな日がいつか来る気がした。
でもそんなのはもっと後だと思ってた。
もう来てしまったなんて・・・
本当に涙は出なかった。
それほどにクジャの死はあっけなく、美しく、悲しかった。
悲しすぎて涙も出なかった。
今にも起きてくれそうに美しかった。
でも、もう きっと起きない。
「おやすみ。・・・クジャ。」
次の日、クジャを埋めた。
あの聖域に埋めてやった。
きっとあいつもここで死にたかったのだろう。
大きめの石にクジャの名前を彫って立てた。
大丈夫。
お前のこと忘れたりしないから。
「まだ・・生きてるよな?」
声はむなしく森の中に吸い込まれていくだけだった。